ベンツで「サイゼリヤ」はおかしい? 庶民派ファミレスに高級車… 身分不相応or賢い選択? あなたはどっち派?

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サイゼリヤにベンツで行く選択肢が、合理的消費として注目される一方、社会的視線には違和感も。2024年の人気外食チェーンランキングで1位を獲得したサイゼリヤが示す新たな消費行動とは?富裕層の無駄を避けた選択が、時代の価値観を反映している。

消費行動における価値観のズレ

ベンツ (画像:Pexels)
ベンツ (画像:Pexels)

 サイゼリヤの駐車場に並ぶベンツに違和感を覚える人がいるのは事実だ。その感覚の正体を探るため、もう少し詳しく見てみよう。

 高級車は、そのブランドイメージとライフスタイルの一貫性が重視される。例えば、メルセデス・ベンツは「エレガントで上質なライフスタイル」を提案するブランドであり、その車を所有する人も、そうしたライフスタイルを送ることが期待されがちだ。しかし、サイゼリヤは「気軽でカジュアルな食事」を提供する場所であり、そのブランドイメージとは異なる。結果として、

「この人はどういう価値観を持っているのだろう?」

と周囲が戸惑うのかもしれない。

 消費行動には「メッセージ性」がある。例えば、高級ブランドのスーツを着ている人がコンビニの100円コーヒーを飲んでいれば、それは「こだわりのない合理的な人」と見られるかもしれない。しかし、スーツとTシャツを組み合わせたファッションがときとして「ちぐはぐ」に見えるように、高級車と庶民派ファミレスの組み合わせも一部の人には違和感を与える。

 日本では、富裕層には

「それ相応の振る舞い」

が求められる傾向がある。高級車を所有する人は、それにふさわしい店を選び、「格式に合った振る舞いをするべきだ」という暗黙の了解があるかもしれない。しかし、これはあくまで固定観念であり、実際の消費行動とは必ずしも一致しない。

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