最近、街でよく見かける 「巨大倉庫」 その中には一体何が入っているのか?

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近年、郊外や駅周辺に増加する巨大な物流倉庫。EC市場の拡大にともない、効率化を目指す倉庫の進化が加速中だ。自動化やAI活用で作業効率を高め、物流の最前線を支える倉庫の変化を追う。

倉庫が急増する背景

自動搬送ロボット(AGV)(画像:ソフトバンク)
自動搬送ロボット(AGV)(画像:ソフトバンク)

 倉庫が急増している背景には、EC市場の拡大と物流の効率化という大きな要因がある。

 EC市場の成長により、従来のケース単位から個人宅への配送へと物流の形が変化した。店舗に一括で納品されていた荷物が、個別配送へとシフトしたことで、物流倉庫の作業負担は増加している。

 消費者にとっては、欲しい商品をいつでもどこでもワンクリックで購入できる利便性が向上したが、その裏では、迅速な配送を支えるために高度な機能を持つ倉庫の需要が高まっている。ECの発展は、消費者にとっては利便性の向上をもたらす一方、物流業界にとっては小口配送の効率化という新たな課題を生み出している。

 また、物流の効率化も倉庫増加の大きな要因だ。物流コストの削減や人手不足への対応、さらには「2024年問題」による配送距離の見直しなどを背景に、従来の倉庫よりも大規模で高度なオペレーションを実現できる物流センターの建設が進んでいる。

 近年では、複数の企業が共同で利用する「共同物流センター」の導入が拡大している。単独では難しい倉庫建設や自動化設備への投資を抑えながら、物流ノウハウの共有や標準化を進めることで、より効率的な物流システムの構築が可能になる。このように、物流の進化とともに、倉庫の役割も大きく変わりつつある。

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