最近、街でよく見かける 「巨大倉庫」 その中には一体何が入っているのか?
近年、郊外や駅周辺に増加する巨大な物流倉庫。EC市場の拡大にともない、効率化を目指す倉庫の進化が加速中だ。自動化やAI活用で作業効率を高め、物流の最前線を支える倉庫の変化を追う。
AGV導入急増、物流効率化の最前線

現代の倉庫は、もはや単なる保管施設ではなく、物流の最前線として進化を遂げている。顧客への配送スピードを高め、限られたスペースを最大限に活用するため、付加価値の高い機能を備えた倉庫が増えている。その中でも、最新の物流設備を導入し、効率的かつ正確なオペレーションを実現する動きが加速している。
自動倉庫は、その代表例のひとつだ。システム制御によって商品の入出庫を自動化する「マテハン(マテリアルハンドリング)」を導入することで、フォークリフトの操縦が不要になり、棚卸作業も自動化できる。これにより、人為的なミスを削減し、作業の精度を向上させることが可能になる。
近年、導入が急増しているのが自動搬送ロボット(AGV)だ。このロボットは、あらかじめ設定されたルートを走行するだけでなく、自律的に移動し、保管棚をピッキング作業者の前まで運ぶ仕組みを備えている。従来のように作業者が倉庫内を歩き回って商品を探す必要がなくなり、移動時間が大幅に削減されることで作業効率が飛躍的に向上する。
さらに、AIを搭載したロボットの開発も進んでおり、今後の物流現場にさらなる革新をもたらすと期待されている。
このほか、コンベヤシステムや仕分けシステム、梱包システムなどの導入が進み、倉庫の運営はよりスムーズで高度なものへと変わりつつある。