「軽自動車しか買えない」 年収400万円時代の高すぎる自動車価格… 庶民の嘆きに自動車メーカーはどう応える?
庶民の選択肢減少の現実
![軽自動車(画像:写真AC)](https://merkmal-biz.jp/wp-content/uploads/2025/02/250210_japan_01.jpg)
総務省が2025年2月7日に発表した2024年の家計調査によると、ふたり以上の世帯の消費支出は、1世帯あたり月間平均30万243円となり、物価変動を除いた実質支出は前年同期比で1.1%減少した。この結果、消費支出は2年連続で前年を下回ることとなった。個人消費には回復の兆しが見られるものの、可処分所得の伸び悩みが影響し、依然としてコロナ禍前の水準には届いていない。
一方、国税庁の「令和5年分 民間給与実態統計調査」によれば、給与所得者の平均年収は約460万円となっている。
こうした経済状況のなか、庶民が手に入れやすい価格帯の車は軽自動車に限られ、その選択肢が狭まっているとの声が増えている。例えば、最近発売された車種の価格は以下の通りだ(価格.com参照)。
・フレアワゴン タフスタイル(マツダ、2024年10月発売):215~236万円
・シフォン トライ(スバル、2024年10月発売):183~195万円
・N-BOX JOY(ホンダ、2024年9月発売):184~226万円
・スペーシア ギア(スズキ、2024年9月発売):195~215万円
・クリッパー リオ(日産、2024年3月発売):195~218万円
また、1500ccクラスの魅力的な車種があれば購入したいという意見も多く、かつては2000ccクラスの車でも、無理をすれば手に入れられる選択肢が豊富にあった。
しかし、今や「選択肢の喪失」に対する不満が高まり、かつては努力すれば手に入れることができた車種が、現在では庶民にとって手が届かないものとなっている。では、自動車メーカーはなぜ手頃な価格帯の車種を増やさないのか。
今後、どのようにして庶民の声に応えていくつもりなのか。これらの問いを深掘りすることにより、自動車市場の構造変化やメーカーの経営戦略、そして消費者が直面している現実についての理解を一層深めることが求められている。