運送業界に横行？ 「代わりならいくらでもいる」と言ってはいけない根本理由！ 物流クライシスを招く「安さ至上主義」の末路とは

短期的コスト削減の落とし穴

「御社の代わりならいくらでもある」という言葉は、一見強気な交渉に思えるかもしれない。しかし、実際にはその発言が自社の経営基盤を揺るがすリスクをはらんでいる。

　代わりは簡単には見つからず、取引先との信頼関係を損なうことで、長期的に関係が悪化する可能性が高い。価格だけで取引を決めることは、短期的にはコスト削減につながるかもしれないが、最終的にはトラブルや追加コストを引き起こすことが多い。

　企業活動は人と人との信頼関係で成り立っており、目先の利益やコスト削減に固執して「代わりはいくらでもある」と考えることは、自社の価値を下げることにつながる。

　今後、企業が生き残るためには、単なるコスト競争に終始するのではなく、長期的な信頼関係を築くことが不可欠だ。取引先との信頼を育むことこそが、最も合理的な経営戦略といえる。

　今回は敢えて経済合理性から説明したが、実際に「御社の代わりならいくらでもある」といわれたら、誰だって嫌な気持ちになるだろう。そのことさえ理解できない時代になってしまったのだろうか。