城と遺跡は、なぜ60代以上の「一人旅」で人気なのか? 実に「52%」が積極支持、自己探求? 知的好奇心? それとも… 欲望と社会変化を考える
増加する50代以上のひとり旅

JTBパブリッシングの調査によると、60代以上の51.7%が歴史散策を好み、城や遺跡を訪れる傾向が強い。
この現象には単なる「歴史好き」という理由以上に、何らかの深い要因があるのではないかと考えられる。
60代以上の歴史旅熱高まり

JTBパブリッシング(東京都江東区)は、50歳以上を主なターゲットとする月刊誌『ノジュール』の読者に対して、「ひとり旅」に関するウェブアンケート調査を実施した(2024年12月19日発表)。
調査は2024年11月13日から11月24日にかけて行われ、ノジュールのメルマガ登録者を対象にウェブアンケートとして実施された。総計857件の有効回答が得られ、そのうち86.6%にあたる742人が「ひとり旅」を経験していた。回答者の男女比は男性が57.5%、女性が42.5%で、年齢層では60代以上が最も多く、全体の68.6%を占めている。
調査結果によると、「ひとり旅」の楽しみ方として最も人気が高かったのは歴史散策(城や遺跡などを訪ねる旅)で、全体の48.3%が好んでいることがわかった。
・男性:51.1%
・女性:43.6%
が歴史散策を楽しんでいる。年代別に見ると、60代以上では51.7%が歴史散策を好み、50代以下の41.2%との差が約10%あることが確認された。
●ひとり旅の目的(男女全体)
・歴史散策(城や遺跡などを訪ねる旅):48.3%
・温泉旅(温泉旅館でのんびり):45.1%
・神社仏閣めぐり(御朱印集め等):41.3%
・グルメ旅(地元料理や特産品を楽しむ旅):33.9%
・美術館めぐり(アートや文化に触れる旅):31.4%
・鉄道旅(観光列車やローカル鉄道などを楽しむ旅):27.2%
・自然散策 ・ 登山・ハイキング(森林や公園、 季節の花などを楽しむ旅):20.8%
・お酒を楽しむ旅(酒蔵やワイナリーめぐりなど):13.1%
・買い物旅(旅先の伝統工芸品や食の土産等):8.3%
・その他:6.0%
一方、温泉旅(温泉旅館でのんびり)は年代別に大きな差は見られず、どの年代でも温泉旅館でのんびり過ごしたいという願望が共通していることがわかった。また、神社仏閣めぐり(御朱印集め等)についても年代や性別を問わず好まれており、御朱印集めが旅の目的のひとつとなっている人が多かった。美術館めぐり(アートや文化に触れる旅)に関しては、
・男性:17.5%
・女性:41.8%
と、男女差が明確に現れた。