なぜジェットブルー航空は「全米5位」に急成長できたのか? LCCなのに豪華シートで無料Wi-Fi……その成功の秘密とは?

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ジェットブルー航空は、LCCと大手航空会社の間で独自のポジションを築き、低価格と高品質サービスを両立。創業からわずか30年で米国内5位の規模に成長するも、近年の業績悪化とネットワーク拡大の課題を抱えている。しかし、革新的なビジネスモデルとテクノロジーへの投資が航空業界に新たな価値を提供し続けている。

ハイブリッド航空の挑戦

ジェットブルー航空A220のコアキャビン(画像:airbus777)
ジェットブルー航空A220のコアキャビン(画像:airbus777)

 ジェットブルー航空は、LCCと大手航空会社の中間に位置するハイブリッドエアラインとして、ここ20年間にわたり存在感を示してきた。しかし、2024年第3四半期の決算では6000万ドル(約94億円)の損失を発表するなど、業績の悪化が目立っている。実際、2023年には50以上の路線を削減するなど、リストラ策を進めている。

 一方、最重要拠点であるニューヨークとボストンからは、大西洋路線を強化し、ラウンジの設置など高単価の乗客の誘致を進めている。しかし、この両空港は他の大手航空会社の大西洋路線拠点でもあり、特にデルタ航空にとっては大西洋路線の中核となるハブ空港である。そのため、ビジネスモデルの変化が難しくなるという問題も抱えている。

 さらに、ネットワークの強化を目指しスピリット航空の買収にも動いたが、残念ながら2024年に破断となった。この実現が叶えば、アトランタ、ダラス、デトロイトなど、路線網が薄かった地域への拡大が期待されていたため、同社にとっては大きなマイナスといえるだろう。

 ジェットブルー航空は、格安運賃、サービス、ネットワークの絶妙なバランスで生き残ってきた。今後の成長を見守る上で、航空業界の動向やファンの注目が続くことが予想される。

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