なぜジェットブルー航空は「全米5位」に急成長できたのか? LCCなのに豪華シートで無料Wi-Fi……その成功の秘密とは?
ジェットブルー航空は、LCCと大手航空会社の間で独自のポジションを築き、低価格と高品質サービスを両立。創業からわずか30年で米国内5位の規模に成長するも、近年の業績悪化とネットワーク拡大の課題を抱えている。しかし、革新的なビジネスモデルとテクノロジーへの投資が航空業界に新たな価値を提供し続けている。
スタートアップへの積極投資

ジェットブルー航空は、自社のコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)である「ジェットブルー・ベンチャーズ」を運営していることでも知られている。
創業者のデイビット・ニールマンは、電子航空券を初めて発行した「モリス・エア」を設立し、電子チケットシステムの会社も経営していた人物だ。テクノロジーへの深い理解を持つ彼の影響を受け、ジェットブルー航空は2016年に「ジェットブルー・テクノロジー・ベンチャーズ」を設立した。
このファンドは、空港内でのシームレスな移動を実現する設備や、空中で二酸化炭素を吸収する環境技術、旅行会社向けのデジタルソリューションなど、航空業界や旅行業界が直面する課題を解決するスタートアップ34社に投資している。
そのなかには、上場を果たし「空飛ぶクルマ」として注目されるジョビー・アビエーションや、歩行などの移動をECサイトのクーポンに変換できるサービス「マイル」なども含まれる。この「マイル」は日本にも進出している。
こうした取り組みにより、ジェットブルー・ベンチャーズは航空会社が運営するベンチャーキャピタルのなかでも特に成果を上げているファンドとして注目を集めている。