腹痛で路上駐車……許される? 駐車違反で「緊急避難」が認められるケースとは? 問われる社会への順応性
駐車違反における「緊急避難」の要件は厳格だが、社会や経済活動の変化に対応するため、柔軟な運用が求められている。車を利用する人々にとって、適切な駐車環境の整備は生活の質を左右する重要な要素となっている。
「緊急避難」の成立要件

要件理由のひとつとして、行為時点で危険が生じていることが挙げられる。緊急避難は「現在の危険」に対する行動として認められる。つまり、まさに今、迫っている危険である必要がある。将来発生するかもしれない危険や、既に過ぎ去った過去の危険に対しては認められない。
ふたつめは、危険を回避するための行為であること。緊急避難の目的は「危険を避けること」である。危険を認識していなかったり、行為が回避行動として認められなかったりする場合には成立しない。明確に危険を認識し、それを回避するための意思を持った行為である必要がある。
続いて三つめは、やむを得ない行為であること。「やむを得ない」とは、危険回避のための「必要最小限の行為」であることを意味する。危険回避に必要性がなかったり、過剰な行為は認められない。
そして四つめは、生じた害が避けようとした害の程度を超えないこと。例えば、災害から自分の財産を守るために、他の人を怪我させたり、生命を奪う行為は緊急避難とは認められない。財産と身体・生命では生じた害の差が大きすぎる。
かなり厳しい要件を満たす必要がある「緊急避難」。実際に駐車違反に適用されるシチュエーションはあるのだろうか。