「赤字確実」「TSMCの無駄遣い」 熊本県の架橋構想「八代・天草シーライン」は県の「南北格差」を解消できるか? 事業費なんと800億円という現実

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九州フィナンシャルグループが発表したTSMCの進出による熊本県経済効果は、10年間で11兆2000億円規模に達するとされ、県南地域の振興策として「八代・天草シーライン」構想が進行中。八代市と天草諸島を結ぶ約8.8kmの架橋が、南北格差の解消と観光・経済活性化に期待されている。

高まる再訪意向、課題はアクセス

八代・天草シーラインのウェブサイト(画像:八代・天草シーライン建設促進民間協力期成会)
八代・天草シーラインのウェブサイト(画像:八代・天草シーライン建設促進民間協力期成会)

 では、天草の状況はどうだろう。人口規模では消滅可能性自治体とされるものの、世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」やイルカウォッチングといった観光資源のポテンシャルは高い。天草全体の観光客数は、コロナ前の2018年には529万4850人を記録していたが、2023年には357万3893人に減少している。

 天草市が実施する観光動向調査の第13回調査結果(2023年)によると、「あなたは、天草を親しい友人やご家族に、どの程度お勧めしたいと思いますか?」という問いに対し、「とても勧めたい」と回答した人の割合は、

・県外客:36.6% → 45.2%
・県内客:46.9% → 49.5%

へと増加している。しかし、高い満足を得るのは現状、半数程度にとどまっている。この結果は、天草の観光資源が十分に活用されていないことを示唆している。

 その要因のひとつが、アクセスの問題だろう。現在、天草への主要ルートは熊本市経由の天草五橋に限られており、観光客の行動範囲や滞在時間に制約を課している。八代・天草シーラインの整備は、この制約を解消するだけでなく、観光客の行動パターンを大きく変える可能性を持つ。

 現在、八代市でも、八代港にクルーズ船の寄港を促進する「くまモンポート八代」が整備され、熊本県南部の観光客誘致が意欲的に進められている。架橋が実現すれば、新たな観光ルートの整備にも期待できるだろう。

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