「赤字確実」「TSMCの無駄遣い」 熊本県の架橋構想「八代・天草シーライン」は県の「南北格差」を解消できるか? 事業費なんと800億円という現実
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九州フィナンシャルグループが発表したTSMCの進出による熊本県経済効果は、10年間で11兆2000億円規模に達するとされ、県南地域の振興策として「八代・天草シーライン」構想が進行中。八代市と天草諸島を結ぶ約8.8kmの架橋が、南北格差の解消と観光・経済活性化に期待されている。
五大企業が支える八代の製造業
八代市は、人口約11万7000人を有する熊本県内第3の都市だ。全国的な知名度は高くないが、1922(大正11)年に十條製紙(現・日本製紙)が進出したのを皮切りに、現在では五大企業、
・興人フィルム&ケミカルズ八代工場
・日本製紙八代工場
・メルシャン八代工場
・YKK AP九州製造所
・ヤマハ熊本プロダクツ
が立地する工業都市として発展している。また、冬春トマトとイグサの生産量が日本トップクラスという、農業でも重要な役割を果たしている都市だ。
そのほか、新八代駅を含む八代市のポテンシャルは次のとおりだ。
●交通の要衝としての価値
・九州新幹線、九州自動車道、南九州西回り自動車道といった主要交通網が交わる地点。
・アジアの主要都市への近さ(釜山まで約300km、上海まで約900km)。
・九州で新幹線と国際港湾の両方を持つ数少ない都市のひとつ。
●物流拠点としての価値
・総取扱貨物量が420万トン(2021年速報値)に達する熊本県内最大の貿易港。
・中九州エリアの物流の中心地。
・原木輸出において、取扱量と取扱額の両面で全国トップクラスを誇る。
●産業基盤としての価値
・日本製紙、YKK AP、熊本くみあい飼料、ヤマハ熊本プロダクツなど、地元を支える「五大企業」が立地。
・飼料関連、アルミ建具関連、石油関連、製紙関連、船外機製造、セメント関連など、多様な製造業が集積している。
・中九州エリアの飼料生産の拠点でもある。
さらに注目すべき点として、熊本県では九州自動車道八代インターチェンジの北東に、新たな県営工業団地の整備を計画している。この計画は、TSMCの第3工場誘致を見据えたもので、八代市内でも誘致の実現に大きな期待が寄せられている。