高速道路「ETC深夜割引見直し」 結局何が変わるのか? 実施7月延期も、現行制度と新制度の違いとは?

キーワード :
, , , , , ,
2024年7月、NEXCO東日本・中日本・西日本の3社が、高速道路の深夜割引制度の見直しを発表。2025年7月の実施を予定しているが、延期の可能性もあり、新制度がどのように利便性を向上させるのか注目されている。

制度の概要と変更点

制度見直しのイメージ(画像:写真AC)
制度見直しのイメージ(画像:写真AC)

 今回の見直しで注目すべき変更点のなかでも、一番大きな影響があるのが割引の「適用時間」「適用距離」の変更だろう。具体的には、

●変更前
・0時から朝4時まで利用できる
・深夜割引適用時間帯に一部区間を走行すれば、本線から出口までの全区間が割引対象となる

●変更後
・22時から朝5時まで利用できる
・料金所や本線に設置されたETC無線通信専用アンテナなどの通信記録を基に、割引適用時間帯に走行した分のみが割引対象になる

この見直しにより、主に長距離移動を行うトラックなどの大型車だけでなく、普通車にも影響が及ぶ点だ。しかし、これだけでは長距離ドライバーの負担軽減には限界があるため、長距離走行車向けの特例割引制度も導入される。具体的には、

・400km以上走行した車両に対する長距離逓減率を拡充する(最大5割引)
・深夜割引適用車両が高速道路を1000km以上走行した場合、超過部分が割引対象になる

 高速道路の1000kmという距離は、東京インターチェンジ(IC)~小倉南IC間のほぼ最短ルートで、少し超える程度の距離だが、大型車にとっては非常に有益な制度といえる。

 また、これまでの深夜割引は高速道路利用時に即適用されていたが、見直し後は計算方法や集計方法が変更され、「ETCマイレージサービス」や「ETCコーポレート」への後日還元に改められる。

全てのコメントを見る