後部座席のシートベルト、なぜ着けない? 高速道路の致死率「20倍」という圧倒的リアリティ、もはやAIカメラ導入しかないのか

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後席シートベルトの着用率が全国平均で約44%に留まり、高速道路では78.7%、一般道路では43.7%と大きな差がある現状。JAFの調査では、違反罰則強化が最も効果的とされ、英国ではAIカメラによる取り締まりが実施され、効果を上げている。しかし、プライバシーの懸念も残るなか、日本でも同様の技術導入が議論されている。安全性向上とプライバシー問題のバランスが問われる時代だ。

一般道路の後席使用率は半数以下

シートベルト(画像:Pexels)
シートベルト(画像:Pexels)

 みなさんは、車の後部座席(以下、後席)に座る際、シートベルトを着用しているだろうか。

 2008(平成20)年に後席でのシートベルト着用が義務化されて以来、筆者(鳴海汐、国際比較ライター)の家では一般道路でもシートベルトを着けていた。また、タクシーに乗る際は必ずドライバーからシートベルトの着用を促されるため、これが常識だと思ってきた。そのため、先日大学生を後席に乗せた際、シートベルトをしていないことに驚いた。
 日本自動車連盟(JAF)が2023年秋に警察庁と合同で「シートベルト着用状況全国調査」を全国885か所で実施したところ、後席でのシートベルト着用率は、

・高速道路:78.7%
・一般道路:43.7%

だった。つまり、一般道路での後席のシートベルト着用は必ずしも常識ではないということになる。

 一方、助手席では高速道路が98.6%、一般道路が97.1%と大きな差がある。都道府県別では、一般道路で後席の着用率が高いのは群馬県の62.7%で、低いのは沖縄県の12.6%だった。

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