後部座席のシートベルト、なぜ着けない? 高速道路の致死率「20倍」という圧倒的リアリティ、もはやAIカメラ導入しかないのか
後席シートベルトの着用率が全国平均で約44%に留まり、高速道路では78.7%、一般道路では43.7%と大きな差がある現状。JAFの調査では、違反罰則強化が最も効果的とされ、英国ではAIカメラによる取り締まりが実施され、効果を上げている。しかし、プライバシーの懸念も残るなか、日本でも同様の技術導入が議論されている。安全性向上とプライバシー問題のバランスが問われる時代だ。
後席でシートベルトをしない危険

後席に座ると、視界が狭まるせいか、車に乗っているというリスクを忘れがちのようだが、JAFによれば、「車が時速40kmで衝突した場合、シートベルトを着用していないと後席乗員は時速40kmに近いスピードで投げ出され」ることになり、
・本人が怪我を負う
・本人が後席から車外放出される
・前席の運転席や助手席の人を怪我させる
といったリスクが生じる。警察庁が2012(平成24)年から2021年の10年間に後席シートベルト非着用によって死亡した人を調査した結果があるのだが、
・車内のシートやピラー、フロントガラス等に衝突して死亡した人:587人(66.3%)
・車外放出による死亡者:223人(25.2%)
であった(2023年2月21日付、『JAF Mate』)。フロントガラスに衝突したら前席の人を巻き込む可能性が高いだろうし、車外放出されたら、他の車や歩行者やバイク・自転車等を巻き込むことも考えられる。
ちなみに、警察庁の2017年から2021年の5年間の調査によれば、「後席シートベルト非着用時の致死率(死傷者数に占める死者数の割合)」は、
・高速道路:着用時の約19.4倍
・一般道路:着用時の約3.5倍
高いのだという。どう考えてもシートベルトは着用すべきだろう。