ローカル鉄道維持の敵は誰だ? 千葉県「低輸送密度路線」を巡った経営学者が見た、鉄道活性化を阻む社会構造の正体

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2024年11月、JR東日本が久留里線久留里~上総亀山間の廃止を発表した。少子高齢化やモータリゼーションの進行により、地方鉄道の存続が厳しい状況となっている。地域公共交通の再構築が急務であり、持続可能な交通体系の構築が求められている。

「維持困難線区」公開と再編の行方

富山県ではJRの不採算路線の改善に向けて、JRと行政の協議が進む。城端線高岡駅で2024年1月27日撮影(画像:大塚良治)
富山県ではJRの不採算路線の改善に向けて、JRと行政の協議が進む。城端線高岡駅で2024年1月27日撮影(画像:大塚良治)

 2016(平成28)年11月18日、経営難が続くJR北海道が「当社単独では維持することが困難な線区」を含む全線区の経営情報を公表した。1日輸送密度2000人未満の線区(以下、維持困難線区)について、鉄道を持続的に運営するための方策や、地域にとってより効率的で利便性の高い交通サービスのあり方について、地域と協議を行う意向を示した。

 2019年3月22日には、JR四国が全線区の経営情報を公表。さらに、2020年代に入りコロナ禍による鉄道輸送需要の大幅な減少が、

・JR九州:2020年5月27日公表
・JR西日本:2022年4月11日公表
・JR東日本:同年7月28日公表

を維持困難線区の経営情報の公開へと追い込んだ。

 2022年7月25日、国土交通省が公表した『地域の将来と利用者の視点に立ったローカル鉄道の在り方に関する提言~地域戦略の中でどう活かし、どう刷新するか~』(以下、提言)は、「1日輸送密度1000人未満」などの条件を満たす「危機的な状況に置かれているローカル鉄道」について、

「国の主体的な関与により、都道府県を含む沿線自治体、鉄道事業者等の関係者からなる特定線区再構築協議会(仮称)を設置し、『廃止ありき』『存続ありき』といった前提を置かずに協議する枠組みを創設することが適当である」

と記した。さらに提言では、協議開始から3年以内に「地域公共交通の再構築」、すなわち鉄道の存廃に関する結論を出すことを求めている。

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