北陸新幹線「小浜・京都ルート」 京都府市は事実上反対か? 自民国会議員も懸念、市長「地下水 = 京都文化を支えてきた」の指摘も
北陸新幹線の大阪延伸に関する与党の整備委員会が国会内で開かれ、松井孝治京都市長と西脇隆俊京都府知事が「小浜・京都ルート」に対する懸念を表明した。これについては、事実上の反対意見だと受け止める声も上がっている。
出口の見えない混迷に

整備新幹線のルートは与党の判断に基づき、国が決定する。着工条件は
・安定的な財源見通し
・収支採算性(営業主体の収支改善効果が30年平均でプラス)
・投資効果(費用便益比が1を超す)
・営業主体となるJRの同意
・並行在来線経営分離についての沿線自治体の同意
である。だが、松井市長は12月の定例記者会見で地下水への影響、建設残土処分、工事による交通渋滞、地元の財政負担という四つの懸念を挙げ、
「説得力のあるデータや根拠で安心できると確信を与えていただかなければ、私は同意できない。駅を造る当該市の市長がどういう判断をするか、想像してほしい」
と述べた。
懸念が解消されなければ反対に回る可能性があると受け止めてもおかしくない厳しい発言だ。地元の自治体が反対の立場を取れば、事業の推進は難しい。年内に詳細ルートを決め、2025年度に着工したい意向を持つ与党整備委員会には、高いハードルになる。
しかも、トンネル工事には道路の陥没や井戸の水枯れなど想定外のトラブル発生が少なくない。特に深さ40m以上の大深度地下工事となると、
「掘ってみなければ影響はわからない」
と考える専門家もいる。地元の財政負担軽減には財務省の抵抗が予想される。松井市長や西脇知事を納得させられる説明ができるのだろうか。与党整備委員会はあらためて会合を開き、対応を協議するもようだが、自民党国会議員のなかには
「京都府市が事実上、反対に回ったように見える」
との声も聞かれた。大阪延伸を巡る混迷はさらに深まり、出口が見えない。