マイカー処分で「最大12万円」のボーナス! 気候危機に取り組むベルギーの奇策とは【連載】牧村和彦博士の移動×都市のDX最前線(5)
2021年1月からまち中を最高速度30km/hとし、1年後には大幅に重大事故削減を実現した話題の都市、ベルギーの首都ブリュッセル。2022年1月からは24歳未満は何と年間12ユーロで公共交通乗り放題を始めた。そして今度はマイカーを手放した人には、ボーナスがもらえるという驚きの環境政策を3月7日から刷新したようだ。
移動手段のアドバイザーまで登場?

そして極めつけが「モビリティコーチ」だ。
マイカーの利用を止めた人が、今後どのような移動手段で日常生活を送ったら良いか、迷う人や分からない人も多くいるだろう。長年マイカー中心で生活してきた人は最寄りのバス停留所もどこにあるか知らない人もいるという。
そこで、ブリュッセルでは無料の相談員を用意した。その名もモビリティコーチという気の利いたサービスが、それも無料で付帯するというのは、驚きだ。日本でも免許返納をしようにも、返納した後の生活像や移動の仕方を描けずに、安心して返納できない人が多くいると聞く。
利用できる住民は低排出ゾーンという市内に指定された特別の地域住民に限定されているものの、メールでの問い合わせ対応だけではなく、相談役が一緒に市内を2時間半ガイドしてくれるというサービスも用意しているそうだ。電動キックボードや自転車シェアリングなどはその後一定期間、お試しの体験も可能とのこと。
さらには、市内の道先案内人として、MaaSの利用も選択肢として用意されており、その人に合ったサービスにも相談に乗ってくれるそうだ。