東京メトロの成長加速、カギは「私鉄連携」なのか? 上場後に広がる収益多角化を考える

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東京メトロの成長戦略は、2024年10月の上場を契機に非鉄道事業の拡大を加速。運賃以外の収入増や沿線開発を通じて収益源を多角化、企業価値向上を狙う。そのカギとなるのは定期外旅客運輸収入の増加と、私鉄やJRとの連携強化だ。

乗客単価の低さ

大手私鉄・JR収入・客単価・乗車人員一覧(画像:大塚良治)
大手私鉄・JR収入・客単価・乗車人員一覧(画像:大塚良治)

 2024年3月期の同社の有価証券報告書(有報)によると、同期の実績は次のとおりだ。

・1日輸送人員:約653万人
・1日当たり旅客運輸収入:約8.9億円
・乗車効率:46%

営業路線の大半が東京23区に所在することが、同社の路線に対する旺盛な需要と安定した旅客運輸収入を生み出している。

 JR上場4社および大手私鉄の20社のうち、客単価(1人当たり旅客運輸収入)の高い会社から見ると、

・1位 JR東海:約2576円
・2位 JR西日本:約485円
・3位 JR九州:約455円

と続き、一方、20位は京王で約129円、19位は東京メトロで約136円、18位は東急電鉄で約138円となっている(詳細は表を参照)。

 いずれも、2024年3月期の各社の有価証券報告書および運輸成績表のデータを基に、旅客運輸収入を乗車人員で割って算出した結果である。下位に位置するのは、

・有料列車の運行がない事業者
・路線距離が比較的短い事業者
・運賃水準が安価な事業者

のいずれかである。東京メトロのビジネスモデルは、低い単価で大量の乗客を乗せて稼ぐ

「薄利多売型」

であるという実態が20社のデータから浮かぶ。

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