熊本「交通系ICカード廃止」はむしろ良かった? “大危機”から垣間見える「地方の選択肢」と、都心で広がる可能性とは

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2024年、熊本県の交通事業者5社がICカード決済を廃止し、全国の公共交通でクレカタッチ決済導入の波が広がるなか、交通系ICカードの未来はどうなるのか。都市と地方で異なるキャッシュレス戦略が進み、キャッシュレス導入の柔軟性が試される。

「広域品川圏」のまちづくり

OIMACHI TRACKSの仕組み(画像:JR東日本)
OIMACHI TRACKSの仕組み(画像:JR東日本)

 もうひとつ、OIMACHI TRACKSについても説明しよう。

 JR東日本は、浜松町駅から大井町駅までのエリアを「広域品川圏」と定義し、この地域に

・都市生活共創拠点
・国際交流・共創拠点
・文化・観光共創拠点

を設けるプロジェクトを進めている。OIMACHI TRACKSはその一部で、大井町駅周辺を都市生活共創拠点として開発している。

 OIMACHI TRACKSの中心となる施設であるBUSINESS TOWERとHOTEL&RESIDENCE TOWERは、現在建設中だ。ここには、ホテル、オフィス、サービスレジデンス、医療機関などが入居する予定だ。さらに、災害時には約3000人の帰宅困難者を受け入れるためのスペースが用意され、この3000人が72時間過ごせるだけの備蓄も整えられる。

 そして、OIMACHI TRACKSの各施設の建設にも、Suicaのビッグデータが活用される予定だ。

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