「車内で嘔吐」“忘年会シーズン”にタクシードライバーを悩ませるカスハラ問題! 進む対策、悪質客はもう乗れなくなる?
タクシー業界では、暴言や料金トラブル、嘔吐といったカスハラが深刻な問題になっている。特に泥酔客が原因のケースは全体の約半数を占めていて、忘年会シーズンには被害が急増する。こうした迷惑行為に対応するため、車内で嘔吐した乗客に対して2万円の清掃費を請求する仕組みも導入されつつある。ドライバーを守り、カスハラの基準を明確にすることが求められているなか、配車アプリでの「乗客評価システム」が新たな解決策として注目されている。
タクシー業界でのカスハラ事例

タクシーに乗り込んで最初に
「取りあえず行って」
「まっすぐ」
とだけいう乗客や、ルートを確認しても「まかせる」といいながら、実際に走り始めると「何でそのルートなんだ」と怒り出す乗客への対応に苦しんでいる。さらに、「道を間違えた」「道路が混んでいた」といったいいがかりをつけて、
・料金を減額させたりする
・支払いを拒んだりする
乗客もいる。
これはあくまで筆者(二階堂運人、物流ライター。現役タクシードライバー)の考えだが、“勝ち組”の傲慢(ごうまん)さや、処理しきれないストレスが原因かもしれない。
・富裕層が住む地域(特に高層マンション)
・深夜帯
では、カスハラ客に遭遇する確率が高い。
最も困るのが泥酔客だ。カスハラの半分以上は泥酔客によるもので、会話が成立しないことが多く、理性を失っていることがほとんどだ。メディアでも泥酔客がドライバーに暴行を加えた記事をよく見かけるだろう。
そして、12月中旬の忘年会シーズンに特に遭遇するのが「嘔吐(おうと)」だ。これまではタクシードライバーが泣き寝入りすることが多かったが、日の丸交通(東京都文京区)では車内で嘔吐した乗客に対して、清掃費用と営業損失分として
「2万円」
を請求することになった。他のタクシー会社も同様の対応を検討し始めているかもしれない。酔っ払ってタクシーで帰ろうと安易に考えるのではなく、酔いをさましてから乗る方が賢明だろう。余分な出費を抑えるためにも、気をつけてほしい。