インド航空市場の覇権を失った「ジェットエアウェイズ」 かつての国内シェア1位が辿った破綻劇の裏側とは?
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インドの航空市場は2030年までに世界最大になると見込まれている。しかし、厳しい規制や激しい競争が影響を及ぼしている。キングフィッシャー航空やジェットエアウェイズは、外部要因と経営の失策が重なり、破綻してしまった。今後、グローバルで競争力のある航空会社が誕生するのだろうか。
国内36都市、19都市へ展開

ジェットエアウェイズは1992年、ナラーシュ・ゴーヤル氏によって設立された。
同社は高品質なサービスと効率的な運行を提供し、国営のエア・インディアが抱えていた欠航や遅延のトラブルに挑みながら、ムンバイを拠点にインド国内での地位を徐々に高めていった。特に、時間の正確さを重視する
・ビジネスマン
・富裕層
から高く評価され、一時はシェアトップの座に君臨した。
2000年代に入ると、中東、東南アジア、欧州などへの国際線にも進出した。ニューヨーク行きのベルギー・ブリュッセル経由路線や、上海経由のサンフランシスコ行きなど、最盛期には
・国内36都市
・海外19都市
を結ぶ広範なネットワークを構築していた。これらの長距離路線は、同社にとって大きな強みとなっていた。
さらに、2006年には格安航空会社(LCC)であるエアサハラを500万ドルで買収し、「ジェットライト」と改名。急成長するLCC市場に真っ向から挑む姿勢を見せていた。また、日本への就航はなかったものの、ANAのインド路線とのコードシェアが行われており、公式ウェブサイトには日本語のページも用意されていた。
このことから、日本市場への関心があったことは間違いない。羽田空港や成田空港の発着枠の拡大にともない、航空ファンのなかにはジェットエアウェイズが日本に初めて就航することを予想していた人も多かった。