「東九州新幹線」は結局実現するのか? TSMC進出で変わる九州の産業構造、3つのルートが示す地域経済発展のカギとは

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東九州新幹線計画が再始動した。大分から宮崎、鹿児島を結ぶ新しい路線が地域経済を活性化させることが期待されている。最近提案された「久大本線ルート」と「新八代ルート」では、半導体産業の発展が見込まれるが、一方で地域間の対立も懸念されている。九州の未来を切り開くこのプロジェクトの行方に注目が集まっている。

TSMC効果と南北格差

運休が続く人吉駅周辺では、新幹線が実現すれば新しい駅ができるのだろうかという期待がある(画像:昼間たかし)
運休が続く人吉駅周辺では、新幹線が実現すれば新しい駅ができるのだろうかという期待がある(画像:昼間たかし)

 この路線は熊本県南部の経済活性化の起爆剤として期待されている。『宮崎日日新聞』2024年4月1日付の朝刊では、このルートが期待される理由が次のように説明されている。

「一方で南部地域の経済浮揚の起爆剤として新幹線に期待する向きもある。半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の工場進出など「半導体バブル」に沸くのは熊本県北部にとどまり、経済効果を享受できない八代や人吉市など南部との「南北格差」が広がりつつある」

 九州各地ではTSMC進出による経済活性化が進んでいるが、県南部の八代エリアはその恩恵をあまり受けていない。現在、港湾や新しい工業団地の開発を進めることで巻き返しを図っている最中だ。

 同じく県南部の人吉市周辺もTSMCの進出効果からは遠く離れた地域である。地域を結ぶ肥薩線(八代駅~隼人駅)は、2020年7月の豪雨で被災した。2024年4月に、JR九州と自治体は八代駅~人吉駅間の復旧に合意したが、残る不通区間の人吉駅~吉松駅間については今後の検討課題となっている。八代駅~人吉駅間の復旧も2033年度を目指しており、その間の経済停滞は避けられない。

 このため、新八代ルートは経済発展から取り残されつつある地域の活性化策として注目されているのだ。

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