「東九州新幹線」は結局実現するのか? TSMC進出で変わる九州の産業構造、3つのルートが示す地域経済発展のカギとは

キーワード :
, ,
東九州新幹線計画が再始動した。大分から宮崎、鹿児島を結ぶ新しい路線が地域経済を活性化させることが期待されている。最近提案された「久大本線ルート」と「新八代ルート」では、半導体産業の発展が見込まれるが、一方で地域間の対立も懸念されている。九州の未来を切り開くこのプロジェクトの行方に注目が集まっている。

所要時間短縮の可能性

新八代駅から離れた市街地には城跡などの名所が多いが、人の流れは郊外のショッピングモールに取られていて、閑散としている(画像:昼間たかし)
新八代駅から離れた市街地には城跡などの名所が多いが、人の流れは郊外のショッピングモールに取られていて、閑散としている(画像:昼間たかし)

 最近の動きで注目すべき点は、東九州新幹線の

「新たな想定ルート」

が登場していることだ。これまで、東九州新幹線の想定ルートは「日豊本線ルート」と呼ばれていた。このルートは福岡市から大分・宮崎両市を経由し、鹿児島市に至るものだ。具体的には、博多駅から小倉駅間は山陽新幹線と線路を共有し、小倉駅から分岐して鹿児島中央駅まで南下する構想となっている。しかし、2023年に大分県が

「久大本線ルート」

の調査を始めたのに続き、宮崎県でも「新八代ルート」という新しいルート案が示された。この新たなルート案は次のようなものだ。

・久大本線ルート:大分市から九州を横断して佐賀県鳥栖市をつなぐルート
・新八代ルート:宮崎県が2024年度から調査に着手したルート

新たに提案されたふたつのルート案は、現在の東九州新幹線が従来の構想とは異なる方向に進んでいることを示している。

 まず、従来の日豊本線ルートと久大本線ルートについて説明する。大分県の資料によると、日豊本線ルートは大阪など本州方面への速達性に優れ、一方、久大本線ルートは西九州新幹線や九州新幹線と鳥栖で接続できるため、九州内のアクセス改善に効果的だ。所要時間は次のとおりとなっている。

●博多~大分間
・現行:93分(乗り換え含め129分)
・日豊本線ルート:47分
・久大本線ルート:46分

●熊本~大分間
・現行:127分(乗り換え含め193分)
・日豊本線ルート:79分(乗り換え含め132分)
・久大本線ルート:56分(乗り換え含め89分)

●長崎~大分間
・現行:173分(乗り換え含め218分)
・日豊本線ルート:127分(乗り換え含め151分)
・久大本線ルート:89分(乗り換え含め107分)

●新大阪~大分間
・現行:203分(乗り換え含め271分)
・日豊本線ルート:156分(乗り換え含め219分)
・久大本線ルート:187分(乗り換え含め253分)

なお、括弧内の数字は、乗り換えにかかる時間や運行状況を考慮した所要時間の平均値だ。

全てのコメントを見る