「東九州新幹線」は結局実現するのか? TSMC進出で変わる九州の産業構造、3つのルートが示す地域経済発展のカギとは
東九州新幹線計画が再始動した。大分から宮崎、鹿児島を結ぶ新しい路線が地域経済を活性化させることが期待されている。最近提案された「久大本線ルート」と「新八代ルート」では、半導体産業の発展が見込まれるが、一方で地域間の対立も懸念されている。九州の未来を切り開くこのプロジェクトの行方に注目が集まっている。
TSMC進出で変わる九州産業

熊本県へのTSMCの進出は、実現に向けた強い意識を生み出す決定的な出来事となった。これが、東九州新幹線への熱意が高まった理由だ。『宮崎日日新聞』2024年8月17日付朝刊では、
「東九州新幹線を巡る議論が活発化した背景には、半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の熊本工場(熊本県菊陽町)建設が呼び水となり、九州内の人流や物流が今後増えるとの見通しがある」
と報じられている。九州山地を挟んで熊本県とは分断されているように見える大分県と宮崎県だが、TSMCの進出に対する動きは活発だ。
大分県では、すでに多くの半導体工場が立地しているほか、熊本市と大分市を結ぶ
「中九州自動車道」
の工事も進んでいる。これにより、今後は半導体を軸にした交流が深まることが期待されている。宮崎県でも、TSMCの進出に対応して国内企業による半導体工場の新設が始まっている。
つまり、TSMCの進出は一企業の立地にとどまらず、
「九州全体の産業構造」
を変える可能性を秘めている。このようななかで、現在の交通インフラでは不十分だとの認識が広がっている。そうして、東九州新幹線の構想は現実味を帯びてきたのだ。