北陸新幹線「米原ルート」、運行管理システム問題はもはや解決済みだったのか?

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国土交通省が北陸新幹線敦賀~新大阪間の「米原ルート直通」について見解を発表し、東海道新幹線直通は不可能とされた。理由は、線路容量の逼迫と運行管理システムの違いだ。しかし、技術的な解決策は存在する。滋賀県の報告や有識者の意見によれば、システムの連携は可能であり、信号システムの切り替えも他の線区で実績がある。また、敦賀から福井間の信号システム整備は、小浜ルートとの建設費差額が2~3兆円に比べれば微々たるもので、整備が進めば所要時間の短縮が期待できる。次回は自治体の費用負担について考察する。

米原停車か福井まで東海式にするか

米原駅の位置(画像:OpenStreetMap)
米原駅の位置(画像:OpenStreetMap)

 信号システムの切り替えは可能だが、ひとつの課題が残っている。それは、切り替えができるのが停車時のみという点だ。前述の有識者によると、

「ふたつのATCの切替を走行中に行うと、切替のタイムラグでわずかに無信号状態ができてしまい、システムが異常と判断して非常ブレーキをかけてしまう」

という。そのため、停車時でしか切り替えが難しいのだ。

 このことを考えると、筆者が想定したダイヤでは、速達列車が東海道新幹線との分岐駅である米原を通過する場合、米原から敦賀間はJR東海式のATC-NSで整備し、敦賀から全列車が止まる福井までの区間もATC-NSに敷き直す必要がある。

 もちろん、敦賀から福井間の信号システムを敷き直すにはコストがかかるが、小浜ルートとの建設費の差額2~3兆円に比べれば微々たるものだ。

 もし信号システムの敷き直しができない場合、全列車を米原に停車させるしかない。その代わり、米原から富山間を300km運転できるように設備を改良すればよい。この改良により、所要時間が約10分短縮され、米原停車による4分程度の増加を十分に吸収できる。これにかかる費用も小浜ルートとの建設費の差額2~3兆円に比べれば微々たるものだ。

 例えば、東北新幹線の盛岡から新青森間178.4km(そのうち明かり区間約57km)の320km化工事には約120億円かかっている。明かり区間だけで工事費を割り算すると、1kmあたり約2億円で300km化が実現可能だ。

 米原から富山間約230kmのうち3分の2が明かり区間(敦賀~金沢間では66%が明かり区間のため)であるとすれば、約300億円で済むだろう。300km化した場合の詳細なダイヤ試算については、別の機会に譲ることにする。

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