ハイブリッド車って本当に経済的なのか? 高額なバッテリー交換もあるのに? 環境に良いのは十分理解していますが【リレー連載】ハイブリッド・ア・ゴーゴー!(11)
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HVとガソリン車の比較
ガソリン車とHVを比較して、経済的なメリットはどちらにあるかを「トヨタ・カローラ・Xグレード(2WD)」で見てみる。
まず、車両価格について。HVの価格は241万8600円で、ガソリン車の202万8600円よりも39万円高い。これはバッテリーやハイブリッドシステムなどのコストが影響しており、一般的にはガソリン車と数十万円ほどの価格差がある。
次に、HVにはエコカー減税が適用され、自動車重量税が免税または軽減される特例がある。これは現行制度で2025年4月末までの新規登録車に適用される。プラグインハイブリッド車やEVには自動車税の優遇措置があるが、HVは対象外だ。トヨタ・カローラの自動車重量税は全額免税となり、購入時には3年分で2万2500円が減税される。
燃費効率についても見てみよう。トヨタ・カローラのカタログ燃費(WLTCモード)によると、
・ガソリン車:19.4km/L
・HV:30.2km/L
で、1L当たり約11kmの燃費差がある。全国平均のガソリン価格175円/Lで試算すると、年間で2万km走行した場合、HVは
「約6万4000円」
の燃料費を節約できる。仮に5年後にHVを手放した場合、エコカー減税と燃料費の合計で
「約34万円」
の節約となり、ガソリン車との差額である39万円に近くなる。
ランニングコストについても考慮が必要だ。特に高額なメンテナンス費用がかかるのは
「バッテリー交換」
で、動力源となるモーターの駆動用バッテリーと、ハイブリッドシステムに電源を供給する補機バッテリーの2種類がある。これらの寿命は3年から5年、またはそれ以上で、交換費用は駆動用バッテリーが20万円~、補機バッテリーが3万円程度だ。
標準的なガソリン車のバッテリー交換費用は1万円程度なので、メンテナンス費用の差は大きくなる。なお、バッテリーにはメーカー保証があり、3年から5年、または走行距離で最長10万kmの保証がある。通常のメンテナンスや一般的な故障頻度は、ガソリン車と大きな違いはない。
最後に、リセールバリュー(再販価値)についても見ておきたい。HVは中古車市場でも高い評価を受けており、ガソリン車に比べてリセールバリューが高い傾向がある。HVの中古車価格は新車価格のガソリン車との差額以上のリセールバリューを持っているため、税制優遇や燃料費の節約を考慮すると、HVには経済的なメリットがあると考えられる。