「地方初の地下鉄」として親しまれた100年超の老舗――27年春「Suica導入」で、本当に利便性は変わるのか?
長野電鉄がJR東日本のSuicaと全面連携し、2027年春から全線33.1kmでIC乗車が可能になる。地方私鉄として長年安定運営を維持しつつ、通勤・観光需要に対応してきた歴史と沿線特性に加え、Suica経済圏拡大の影響も見逃せない状況だ。
地域連携ICカードの導入

長野電鉄とJR東日本は2026年2月12日、JR東日本が提供する「地域連携ICカード」のシステムを利用したIC乗車サービスの提供で合意したと発表した。
現在、長野電鉄では長野駅、須坂駅、小布施駅、信州中野駅、湯田中駅の券売機で乗車券を購入する場合に限り、Suicaなどの交通系ICカードを利用できる。今回の合意により、JR東日本のSuicaと、Suicaと相互利用可能な他の交通系ICカードを使って、長野電鉄の乗車が直接可能となる。サービスは2027年春に開始予定で、導入区間は長野電鉄全線全駅(長野~湯田中)とする。
地域連携ICカードは、各地域の交通事業者が運行する鉄道・バスの定期券や各種割引に加え、SuicaエリアおよびSuicaと相互利用するエリアで利用できる乗車券や電子マネーの機能を1枚で提供するカードだ。これにより、全国で相互利用可能な交通系ICカードと地方独自のICカードの「2枚持ち」が不要となり、両方の利便性を1枚で享受できる。
長野地域では、2025年3月に路線バス向けの地域連携ICカード「KURURU」の提供が始まった。さらに同月、信越本線や篠ノ井線のSuica利用駅が拡大され、2026年3月14日にはしなの鉄道でのSuica導入が予定されている。
KURURUは長野市と周辺の路線バスで使える非接触型ICカードで、2012(平成24)年10月27日から独自規格で運用されていた。2025年3月以降は地域連携ICカードの方式に移行している。
長野エリアでは、路線バス、しなの鉄道に続き長野電鉄もSuicaと連動することで、JR東日本の「Suica経済圏」が一気に広がる状況だ。