なぜ能登半島は孤立するのか? 過疎化に追い打ちかけた地震、高齢化44%で進む復興計画とは【リレー連載】やるぜ、能登復興。(8)
2024年に発生した能登半島地震と豪雨で、地域のインフラが大きな被害を受け、過疎化もさらに進んでいる。5000億円以上の復興予算を活用し、自然と文化が共生する創造的な復興を目指している。
高齢化44%の危機感

能登半島地震で浮き彫りになったのは、山岳地帯の集落が孤立しやすいという問題だ。能登半島は山が多く、平野部が少ない地域である。高速道路のような高規格道路は少なく、川などの地形に沿った一般道路に頼らざるを得ない。そのため、山岳地帯を通る際には、地震や豪雨による落石で集落が簡単に孤立してしまう。
地震が起きる前から、能登半島は過疎化に悩んでいた。国立社会保障・人口問題研究所の「日本の地域別将来推計人口」によれば、能登地域の人口は2010(平成22)年には36万1662人だったが、2020年には32万1482人に減少した。また、高齢化率も高く、内閣府の「令和6年能登半島地震における災害の特徴」によると、2020年時点で全国の高齢化率は約28%だが、能登半島の被災市町では
「44%」
に達している。このように、能登半島は高齢化が進み、過疎化が深刻な地域である。しかし、地元自治体の努力もあり、珠洲市では移住者が増加傾向にあるなど、過疎化対策が少しずつ効果を見せていた。そんななかで発生した能登半島地震は、過疎化をさらに加速させている。
石川県の統計によると、2024年1月から5月までに輪島市、珠洲市、穴水町、能登町といった奥能登地域から転出した人数は合わせて2510人に上っている。これは2023年の同じ期間の
「約2.5倍」
だ。一方、転入は406人で、これは2023年の同じ期間の半分にとどまっている。転出した人のほとんどは奥能登地域から他の地域に移住している。今後、復興が進めば状況が改善するかもしれないが、過疎化が拡大する可能性も十分にある。