なぜ能登半島は孤立するのか? 過疎化に追い打ちかけた地震、高齢化44%で進む復興計画とは【リレー連載】やるぜ、能登復興。(8)
2024年に発生した能登半島地震と豪雨で、地域のインフラが大きな被害を受け、過疎化もさらに進んでいる。5000億円以上の復興予算を活用し、自然と文化が共生する創造的な復興を目指している。
能登の再生と共生の道
石川県は、能登半島地震からの復興に向けて創造的復興プランを掲げた。このプランでは、能登の自然や文化といった普遍的な価値を生かし、自然と文化が真に共生する持続可能な地域を目指している。地震という悲劇を乗り越え、新たに再生することが目的だ。このアプローチは、関東大震災や東日本大震災後の復興とも関連している。
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日本政府は、能登半島地震の復興のために2024年度予算の予備費から5000億円以上を支出しており、石川県はそのなかから637億3200万円を復興に充てるとしている。これらの予算は、復興プロジェクトに使用される。
復興プロジェクトは、インフラの強靭化や地域公共交通の再構築など多岐にわたる。一方で、自力での住宅再建やコミュニティーの維持を断念し、集団移転を選ぶ動きも進んでいる。すでに集落の再編が進んでいるため、無計画な移住を避けるために関係自治体には迅速な対応が求められる。
こうした取り組みは、南海トラフ地震の発生が予想される地域でも活用できる。南海トラフ地震の被害地域には、紀伊半島のような山岳地帯が含まれており、能登半島と似た条件を持っている。そのため、能登半島での経験が役立つ可能性がある。地震という悲劇を乗り越え、新たに再生できるかが試されているといえる。