「バス専用レーン」の導入はなぜ遅々として進まないのか? 耳を澄ませば聞こえてくる自治体の阿鼻叫喚

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バス専用レーン導入の課題は、用地取得とコスト、そして運行改善への期待と一般車両の不便さとのせめぎ合いである。沖縄県の場合、朝夕の所要時間はそれぞれ10%、20%短縮されたが、一般車両の所要時間は増加した。自治体には公共交通の活性化に向けた努力が求められている。

対立する市民ニーズ

路線バス(画像:写真AC)
路線バス(画像:写真AC)

 実際、市民のニーズが相反している状況が見られる。沖縄県が実施したバスレーン延長に関するQ&Aでは、公共交通の活性化に向けて

・決められた時間に運行すること
・目的地にもっと早く行けること

などが求められている。これらは定時運行や運行速度の向上を期待する意見であり、バスレーン延長を支持するものだ。

 しかし同時に、

「バスレーンを延長すると自動車が不便にならないか」

という不安の声も上がっている。この点について、県は車を利用する人に不便を強いることになるが、理解と協力を求める姿勢を示している。多額の費用を投じ、さらに一部の市民に犠牲を強いる状況は、自治体にとって大きな課題となっている。

 もちろん、道路を拡張する物理的な余裕がない以上、既存の道路でやりくりするしかない。公共交通機関の利便性を高め、利用を促進する必要がある。広島市が取り組んでいる

「時差出勤を勧めるキャンペーン」

などを通じて、バスレーン導入時に車両が集中する状況を避けるための努力が求められる。

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