「バス専用レーン」の導入はなぜ遅々として進まないのか? 耳を澄ませば聞こえてくる自治体の阿鼻叫喚
バス専用レーン導入の課題は、用地取得とコスト、そして運行改善への期待と一般車両の不便さとのせめぎ合いである。沖縄県の場合、朝夕の所要時間はそれぞれ10%、20%短縮されたが、一般車両の所要時間は増加した。自治体には公共交通の活性化に向けた努力が求められている。
法整備と現実のギャップ
路線バスのサービス向上を図るために設けられているのが「路線バス専用レーン」だ。これは、朝夕のラッシュ時などに路線バスの円滑な運行を促進することを目的としている。道路交通法第20条に基づき、バス専用レーンは特定の状況を除いて、バス以外の車両が走行すると
「路線バス等優先通行帯違反違反」
となる。
1997(平成9)年には、運輸省、建設省、警察庁が連携して「オムニバスタウン事業」がスタートした。
「すべての人が利用しやすいバスが走るまち」
「渋滞や事故のない安全で移動しやすいまち」
などを目指し、指定都市ではバスレーンなどの走行環境整備が重点的に進められた。
法律も整備され、道路を有効活用しながら路線バスの定時運行を支える優れたシステムであるバス専用レーンだが、導入が進まない地域も多い。なぜそのような状況になっているのだろうか?