「バス専用レーン」の導入はなぜ遅々として進まないのか? 耳を澄ませば聞こえてくる自治体の阿鼻叫喚
バス専用レーン導入の課題は、用地取得とコスト、そして運行改善への期待と一般車両の不便さとのせめぎ合いである。沖縄県の場合、朝夕の所要時間はそれぞれ10%、20%短縮されたが、一般車両の所要時間は増加した。自治体には公共交通の活性化に向けた努力が求められている。
都市部渋滞とバスレーンのジレンマ

バス専用レーンの導入や普及には、いくつかの課題を解決する必要がある。そのなかでも最も大きな問題は、専用レーンのための
「土地確保」
が難しいという点だ。特に都市部では、バス専用レーンを設置したくても、用地を確保するのが物理的に困難である。そのため、既存の道路を時間帯によってバス専用レーンに転用すればいいという考え方もあるが、実際にはそう単純ではない。
沖縄県では、過度なマイカー通勤を路線バス利用に誘導し、渋滞を緩和するために公共交通機関の活性化に取り組んだ。その一環として、基幹バスシステム導入に向けたバスレーンの拡充が行われた。国道58号のバスレーンは、朝の通勤時に那覇向けの車線が8.8kmから10.4kmに延長され、夕方には宜野湾向けの車線が2.8kmから7.4kmに大きく延長された。
その結果、朝のバスの所要時間が1割、夕方の所要時間が2割短縮された。また、国道58号の交通量も5.8万台から5.6万台に減少し、成功したといえる。しかし、一般車両の所要時間は朝夕ともに1割増加してしまった。
都市部のバスレーンでは、渋滞のためにバスレーンが機能しない状況も見られる。広島市の国道183号線では、片側2車線の左車線にバスレーンが設定されているが、ピーク時には1.8kmもの渋滞が発生する。県は、時差出勤を呼びかけるなどして渋滞緩和に取り組んでいる。
バスレーンを導入しようとしても、道路の許容量を交通量が超えてしまうと、バスレーンを導入しても機能しなかったり、渋滞の負担が一般車両に転嫁されたりするなど、バランスを取るのが難しい状況だ。