パワハラ上司が減ったのに、「面倒な上司」がまったく減らない理由
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30年前のベストセラー『おごるな上司!』が今も有効? 令和の上司は表面だけおとなしく、本質的には「怠慢」な管理が増加中。出世欲減少も、承認欲求や「静かにつぶす」手法が根強く、部下へのケアが不十分な上司が目立つ。
部下を飼い殺しにして辞めさせる上司
また、同書には「部下を便利に使う上司」が出てくる。確かに
「一将功成りて万骨枯る(ひとりの将軍の輝かしい名声の裏には、戦場で命を落とした多くの兵士たちがいる)」
と部下を使いつぶして自分の成果を挙げる上司が昔は多くいたように思う。しかし、人手不足の現代では、部下を使いつぶす上司は「ダメ上司」の烙印(らくいん)を押される。
ところが、ジョブ型(仕事の内容や役割に基づいて雇用や評価を行う働き方のスタイル)で成果主義が一般化した現在は、違う形で部下をつぶす上司が出現する。
これまでのメンバーシップ型(社員が組織の一員としての役割や位置付けを重視する働き方のスタイル)組織では、社員はローテーションで異動しさまざまな経験ができた。
しかしジョブ型で専門性が高くなると、昔のように機械的に異動させることは少なくなり、上司の“推し”がなければ部下は新しいチャンスを得ることができない。それをいいことにいつまでも優秀な部下を手元に置いておき成果を出させる。
部下も評価されるので一見悪いことでもないが、同じことを続ければマンネリとなり成長は止まる。そして部下は新たな機会を求めて転職をしていく。
これは目立たないが、
「静かに人をつぶしている」
ようなものである。本来は有望な人材こそ、自分の手から放して新しい経験をさせなければならないのだが。