いつまで荷主にナメられるのか――もはや爆発寸前、中小「運送会社」の“積年の恨み”の正体

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これまで運送会社の多くが、荷主に虐げられ、辛酸をなめさせられてきた。なぜ、運送会社はここまで立場が弱くなってしまったのか?運送会社が荷主に対して抱いてきた、積年の恨みの正体を解き明かす。

運送業界の過当競争を生み出した政府の失策

「積年の恨み」のイメージ(画像:写真AC)
「積年の恨み」のイメージ(画像:写真AC)

 筆者がもうひとつ訴えておきたいのは、「政策の失敗」である。端的にいえば、1990年代に行った物流2法改正による

「規制緩和」

が、結果的に現在の物流クライシスを招いた。

 その背景には、当時の産業界から「物流コストを引き下げたい」という要望があったのは間違いがないだろう。本来、コストの引き下げというのは、無駄・無理なプロセスの見直しを図り、その業務(あるいはビジネス)を改善、生産性向上によって実現されるべきものだ。

 しかし、1990年代の規制緩和によって、運送業界の過当競争が発生した結果、荷主の物流担当者らは、運賃等の買いたたきによって、見かけ上の物流コスト削減を行った。先日政府が発表したパレット標準化などは、政府と荷主の無策が生んだ非効率を

「今になってから尻拭いしようとする」

典型的な例である。

 荷物をまとめて輸送し、手積み手荷役を解消できるパレットについては、現在国内でさまざまなサイズ(規格)のものが存在しており、例えば昭和40年代には、1000種類以上のパレットが存在していたとする研究もある。

 その結果、現在も発荷主指定のパレットから、着荷主が指定するパレットに積み替えるといった無駄な作業をさせられている現場が多々存在する。

「現在でも、昭和の頃に決定されたサイズがそのまま踏襲されている商品がたくさんあります。『売り場で目立つサイズ』『お中元・お歳暮用の贈答箱に収納したときに、見栄えの良いサイズ』といった営業的な都合を優先し、商品サイズ・荷姿が決定されたものですが、結果として現在標準化されたT11型パレットにはうまく商品が収まらないという弊害を生んでいます」

これはある日用品メーカーの物流担当者の言葉である。T11型パレットとは、標準規格として採用された、縦横1100mm、正方形のパレットのことだ。

 これまで、荷主は自社のわがままを押し通すため、さまざまなサイズのパレットを生み出してきた。結果、

「パレット積み替え」

というなんの生産性もない尻拭いを、しかも

「無償」

でさせられてきたのが運送会社であり倉庫会社だったのだが、これまた本稿の趣旨からずれるため、これ以上の深堀りはやめておこう。

 とにかく、国は規制緩和という政策の失敗により、運送業界を疲弊させた。政府は今、「物流革新」政策を打ち出し、物流産業をより生産性が高い産業へと強制的に変革しようとしているが、これはある意味、1990年代の規制緩和から始まった、30年間にわたって

「物流効率化を怠けてきたツケ」

を今になってから慌ててどうにかしようという政策的失敗の結果でもある。荷主も、結果としては政府に踊らされたのかもしれないが。経緯はともかく、運送会社がずっと抱えてきた

「積年の恨み」

は、簡単に消えるものではない。今、「荷主が運送会社を選ぶ時代」から

「運送会社が荷主を選ぶ時代」

への転換が始まりつつある。運送会社に“逆襲”を食らわないよう、荷主は心して、運送会社との取引条件の見直しを図った方が良い。

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