不法侵入から破壊行為まで! 鉄道オタクの「迷惑行為」が延々と繰り返される理由 SNS時代に再考する

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鉄道オタクの一部がSNS時代に迷惑行為を繰り返し、私有地侵入や違法駐車などが増加。アイデンティティー・ポリティクスが影響し、オタク文化の極端な行動が社会問題化。鉄道オタクのトラブルは「数日おき」に発生し、SNSの影響で過激化している。

多様な鉄道オタク活動の実態

鉄道(画像:写真AC)
鉄道(画像:写真AC)

 オタクは、趣味を中心にアイデンティティーを形成し、それに基づいて行動し、主張している。この傾向は、特に

「SNSの普及」

によって加速している。彼らの集団意識は強まり、ときに現実世界との断絶を引き起こしている。

 特に鉄道オタクは、一般社会から否定的なイメージを持たれがちだ。しかし、実際に犯罪を繰り返しているのはごく一部である。現実はもっと複雑で多様だ。鉄道オタクの活動は、“撮り鉄”だけにとどまらない。多くのオタクは、

・鉄道乗車
・駅見学
・写真撮影
・模型製作
・歴史研究

など、さまざまな活動を組み合わせて楽しんでいる。

 心理学の立場から鉄道オタクにアプローチする岡田努氏の「鉄道オタクの心理学」(『心理学の諸領域』Vol.11 No.1)では、鉄道オタクの特徴として

「データベース消費」型

の趣味という側面が指摘されている。この点はアニメオタクなど他のオタク文化にも共通する。そして、鉄道オタクは

・自己評価が低い
・個人主義的傾向がある

という従来の見方を、次のように分析する。

「鉄道趣味者、とくにオタクと呼ばれるより熱心な者は自己評価が低いかという点については、鉄道趣味者とそれ以外との比較においても、また鉄道趣味者内での群間の比較でも有意な差は見られなかった。鉄道趣味者は群れることを嫌い、個人主義的志向性が強いかという点については、友人関係において距離を取った付き合い方をする傾向は確かに見られた。しかし、友人と群れて軽躁的に振る舞う傾向については、趣味者以外との差は見られず、「群れない」とまでは言えないようであった」

 この研究結果は、鉄道オタクに関する一般的なステレオタイプが必ずしも正確ではないことを示している。彼らは孤立しているわけではなく、ある程度の社会的関係を保ちながら趣味を楽しんでいるというのである。

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