不法侵入から破壊行為まで! 鉄道オタクの「迷惑行為」が延々と繰り返される理由 SNS時代に再考する

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鉄道オタクの一部がSNS時代に迷惑行為を繰り返し、私有地侵入や違法駐車などが増加。アイデンティティー・ポリティクスが影響し、オタク文化の極端な行動が社会問題化。鉄道オタクのトラブルは「数日おき」に発生し、SNSの影響で過激化している。

オタク文化の同調圧力

鉄道(画像:写真AC)
鉄道(画像:写真AC)

「間メディア空間」におけるアイデンティティー・ポリティクス的行動の結果、鉄道オタクの問題行動は新たな局面を迎えている。過去にも存在した問題行動は、今日のSNS環境において、より複雑化し、その影響力を拡大しているのだ。

 この問題をより深く理解するためには、オタク文化そのもののあり方を考える必要がある。この点で、牧野宏紀氏の研究は興味深い視点を提供してくれる。

 牧野氏の論文「学級内における対抗文化としての「オタク文化」」(『奈良大学大学院研究年報』第23号)は、オタク文化が

「スクールカースト秩序に対する対抗文化」

として機能しうることを示すとともに、その限界についても言及している。

「『オタク』グループ内部においては、そのグループで主流の価値観への同調圧力が働いているため、場合によっては自分にとって最上の価値観を取り下げてでもそれに同調する必要があり、このようなグループ内での折り合いをつけるためには、相応のコミュニケーション能力が要求される」

 一般にオタクは社会から孤立しがちで、それゆえに非社会的な行動をとりやすいと思われている。しかし実際には、オタクのコミュニティー内には

「大きな同調圧力」

がある。この特徴は、アイデンティティー・ポリティクスの一形態として理解できる。オタクとしてのアイデンティティーを強化し、外部との差別化を図るために、内面的な同質性が過度に強調されるのだ。

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