壊滅的にモテない「鉄オタ」 しかし彼らがモテれば、社会は変わる! 日本を代表する社会学者「宮台真司」の著作を読み解く

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鉄オタはなぜモテない? 恋愛コンサルタントの菊乃氏が分析。趣味の狭さやコミュニケーション不足が原因。宮台真司氏は、恋愛を通じた共感性の育成と社会の向上を説く。内発性を持つ人がモテる鍵を握る。

恋愛・性愛が必要な理由とモテ

2012年に出版された宮台氏の著書『きみがモテれば、社会は変わる。』(画像:イースト・プレス)
2012年に出版された宮台氏の著書『きみがモテれば、社会は変わる。』(画像:イースト・プレス)

 さらに宮台氏は、性愛(男女両性間の本能的な愛欲)は

「人間の〈尊厳〉すなわち〈入れ替え不可能な自己価値〉を保つため」

に必要という(『東洋経済オンライン』2013年12月26日付)。若者向けの著書『きみがモテれば社会は変わる』(イースト・プレス)で、これをわかりやすく説明している。

「人が本当に幸せになるためには、親以外の「他者からの承認」が何よりも欠かせません」

 実際、

・他でもない自分
・代わりの効かない自分

が必要とされている感覚は恋愛の醍醐味(だいごみ)であるし、恋愛で幸せを感じる理由だろう。自己肯定感が上がるからだ。恋愛の機会を得るには、モテる方がいいのだが、そもそもモテる人とはどういう人なのか。

 宮台氏は、個人のスペックどうこうよりも、「他者性」が必要で、相手に

「自分を理解してくれる」
「一緒にいて楽しい」

と思わせることが恋人として魅力であって、モテる条件になるとしている。他人を幸せにすることではじめて、自分を認めてくれる他者が現れる、そして自身も幸せを感じることができるようになるということだ。

 逆をいえば、現在モテていなくて幸せを感じられないということは、

「他人を幸せにできていないから」

となる。

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