壊滅的にモテない「鉄オタ」 しかし彼らがモテれば、社会は変わる! 日本を代表する社会学者「宮台真司」の著作を読み解く
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鉄オタはなぜモテない? 恋愛コンサルタントの菊乃氏が分析。趣味の狭さやコミュニケーション不足が原因。宮台真司氏は、恋愛を通じた共感性の育成と社会の向上を説く。内発性を持つ人がモテる鍵を握る。
恋愛しない弊害

宮台氏によると、近頃は、恋愛は
「コスパとタイパが悪い」
として、若者を中心に恋愛をしない人が増えているといわれる。
コスパとは「コストパフォーマンス」の略で、支払ったコストに対して得られる価値や効果を指す。具体的には、少ないコストで高い品質と満足度が得られることを「コスパがいい」という。
タイパとは「タイムパフォーマンス」の略で、時間対効果を意味する。限られた時間のなかでどれだけの価値や結果を得られるかを評価する概念だ。時間を効率的に使うことで、できるだけ多くのことを達成することが目標となる。
かつてのように、恋愛が“強制”や“義務”でなくなった現代において、個人の自由度は上がっている。しかし、
・恋愛をしない
・人と深く関わらない
ことによる弊害もある。宮台氏は、
「他人と関わらないと、誰かの悲しみを自分の悲しみにしたり、誰かの喜びを自分の喜びにしたりする『共感性』が失われ、ひいては感情の劣化につながります。共感性を育むには恋愛が一番なのですが、そもそものコミュニケーション能力が落ちているため、そこまでたどり着けない人が増えているのです」(東京都立大学ウェブサイト)
と説明する。
前述の菊乃氏は、興味関心の幅が狭い鉄オタの雑談力・コミュニケーション能力の低さを指摘していたが、
「コミュニケーション能力が低いので恋愛ができない」
「恋愛ができないから共感性といったコミュニケーション能力が上がらない」
といった状況があるのだ。