都会・田舎に住む「二地域居住」は本当に幸せなのか?
未来のライフスタイル

実のところ、筆者(黒田莉々、フリーライター)は都市部から地方に移住したひとりである。引っ越し先の条件は、
「インターネット環境が整っていること」
で、今はオンラインでフルタイムの仕事をしている。
筆者の場合は「完全移住」であり、二地域居住ではない。しかし、インターネット回線という仕事上のライフラインさえあれば、これまでと変わらない仕事環境を確保できている。それどころか、朝夕には庭の草花や野菜の手入れをし、飼い犬たちとデッキで食事をする余裕ができた。もちろん個人の感想にすぎないが、都会に住んでいた時以上に生活に充足を感じている。
前述のデメリットや課題が簡単に克服できるというつもりはないが、働き方や仕事の形に多様性が出てきた今、二地域居住という形で都会から人を呼び込むことは、これまで以上に現実味を帯びてきているといえる。これは、過疎化が進む地域にとっての新たな希望であり、地方の活性化や人口減少の抑制に寄与する可能性として大いに期待できる。
広域的地方活性化のための基盤整備に関する法律の一部を改正することが閣議決定されたことは、二地域居住の推進に向けた重要な一歩だ。今後は、この法改正を基盤として、
・空き家の有効活用
・コワーキングスペースの設置
・地域コミュニティーとの交流促進プログラムの実施
など、さまざまな取り組みが展開されていくことが予想される。
テクノロジーの進化により、リモートワークやオンラインコミュニケーションがさらに普及することで、二地域居住の障壁はますます低くなるだろう。5Gや将来の6G技術の普及などで、地方でも都市部と遜色ない通信環境が整備されれば、より多くの人々が二地域居住を選択肢として考えるようになるかもしれない。
二地域居住という新しい生活様式が、日本社会が直面するさまざまな課題解決の糸口となることを期待しつつ、今後の展開を注視したい。