アニメが好きすぎて「聖地」に移住ブーム! でも、地方取材多い私がイマイチ賛成できないワケ

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近年、自治体が「聖地移住」を推進する動きも出始めている。本当にうまく行くのか。

経済効果を生むアニメ巡礼

地方移住のイメージ(画像:写真AC)
地方移住のイメージ(画像:写真AC)

「聖地巡礼」とは、アニメや漫画の舞台となった場所や建物を“聖地”と呼び、熱狂的なファンが訪れることを指す。この言葉はすでにおなじみだろう。

 このような行動が盛んになったのは、2000年代以降といわれている。作品の背景描写が詳細になり、モデルとなった建物や場所が明示されるようになったからだ。その後、宗教用語を借りて「聖地巡礼」と呼ばれるようになった。

 グーグル検索エンジンでのキーワードの検索トレンドを調べられるグーグルトレンドを見ても、2005(平成17)年7月あたりから本格的に検索されるようになっている。

 聖地巡礼は、やがて観光客誘致やイベントなどに利用されるようになり、大きな経済効果を生むようになった。

 先駆的な成功例は、埼玉県久喜市を舞台にした2007年のアニメ『らき☆すた』である。日本政策投資銀行の2017年の調査によると、この作品の経済効果は放送開始から10年間で約31億円にのぼり、300人以上の雇用を創出した。

 そして現在、聖地巡礼は地域活性化の手法として広く活用されている。多くのテレビアニメ制作会社が、自治体などと連携して特定の地域を舞台とし、観光施策や関連イベントを通じて集客するビジネスに積極的に取り組んでいる。アニメの舞台となった地域には、熱心なアニメファンが多く訪れる。

 結果、作品の世界観を体感できるリアルな地域に魅力を感じた人のなかには、ただ行くだけでは飽き足らず、移住する人もいるのだ。

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