故郷が欲しい現代人、増加中? 3人に一人「地元がない」 移住も見据える新たな旅の形とは

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生まれ育った地元でなくても「帰省しているような感覚を得られる場所」が欲しいと感じる人は過半数――。興味深い調査結果が発表された。将来的な人口移動にもつながる新たな旅の形が官民で検討されている。

「帰省先のような場所が欲しい」過半数

懐かしさを感じさせる、ふるさとのイメージ(画像:写真AC)。
懐かしさを感じさせる、ふるさとのイメージ(画像:写真AC)。

 ふるさとが欲しい。そう願う現代人が増えているという。

 リクルートが行った調査によると、生まれ育った地元でなくても「帰省しているような感覚を得られる場所」が欲しいと感じる人は過半数。一方で3人に一人は「帰省できる地元はない」というのが現状だ。

 同社は、コロナ禍で高まったこうした傾向を、2拠点居住や移住、地域経済の活性につなげる機運だと捉える。

「日常離れたい」コロナ禍で機運高まる

「新しい帰省スタイルに関する調査」は2021年9月、全国18~59歳の男女5781人を対象にインターネット・アンケートで実施。2022年2月15日(火)に調査結果が発表された。

 それによると、帰省しているかのような感覚を感じられる場所について「欲しい」「やや欲しい」と答えた人の割合は、それぞれ21%と35%。合計は半数を上回った。そうした気持ちがコロナ禍で強まったと感じる人の割合も、39%に上る。

 その一方で、「帰省できる地元はない」と答えた人は35%。また「帰省できる地元がある」(65%)ものの「全く帰省していない」人も32%に上った。ふるさとが無い、もしくはふるさととの関係を維持できていない人が一定数いる実態がうかがえる。

 なぜ今“ふるさと”を求めるのかを探るうえで、コロナ禍との関連は前述の通り見逃がせない。

 同調査によると、コロナ禍で強まった気持ちを尋ねる問い(複数回答)では、

・普段の日常から離れたい  53.9%
・いつもと違う場所で過ごしたい  52.5%
・新しいコミュニティーが欲しい  50.0%
・都市の生活から離れたい  49.5%
・安心できる場所が欲しい  48.7%

などの回答が上位に並んだ。

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