「民間企業ですから」 JR西日本がローカル線問題で、地元の神経を“逆なで”し続けるワケ 島根県知事は「株主総会対策?」のド直球ツッコミ
岡山県と広島県の山間部を結ぶ芸備線の再構築協議会が進むなか、JR西日本が地元を逆なでするような発言を繰り返している。沿線自治体とJR西日本の溝は広がるばかりだ。
完全民営化から20年たち、JR西の意識に変化?

JR西日本は2004(平成16)年、国が所有する株式が売却され、完全民営化した。株主には金融機関や外国法人、証券会社などが名を連ねる。公共部門が保有する株式は3月末現在で構成比0.00%の100株にすぎない。
広島支社の奥井明彦副支社長は芸備線再構築協議会幹事会終了後の記者会見で芸備線への設備投資に関して
「民間企業なので、株主らへの説明という点で、今の利用実態を考えると難しい」
と説明するなど、さまざまな会合で
・民間企業
・株主利益
という言葉がJR西日本関係者の口から出るようになった。
完全民営化から20年が経過し、沿線自治体の間でJR西日本の意識の変化を指摘する声が上がっている。島根県の丸山達也知事は6月4日の記者会見で木次線のあり方協議提案に対し
「この時期に表明したのは会社としてメリットがあるから。普通に考えると(6月19日開催予定の)株主総会が控えているからでは」
と皮肉っぽく語った。
地場百貨店・天満屋社長の経歴を持つ岡山県の伊原木隆太知事は5月下旬の記者会見でJR西日本が芸備線への設備投資を困難とする考えを示したことについて
「国営組織と株式会社は当然、目的が違う。株式会社を経営していた私からすると、JR西日本がそういう発想をすること自体は理解できるが、自治体としては了解できない」
と述べた。ローカル線をあくまで公共交通ととらえ、存廃を輸送密度で判断すべきでないとする沿線自治体と、民間企業の立ち位置から路線のあるべき姿を問うJR西日本の意識は、大きくかい離している。この溝はそう簡単に埋まりそうもない。