新車購入時、「欲しいクルマ」「高く売れるクルマ」どちらを選ぶべきか? 人気中古車高騰のいま考える

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最近の消費者の行動として、気に入ったクルマよりも購入時のリセールバリューが高いクルマを選ぶという話をよく耳にする。これは何を意味するのだろうか。

「資産」としてのクルマ

自動車(画像:写真AC)
自動車(画像:写真AC)

 新車を購入する際、最も一般的な消費者行動のひとつは、リセールバリュー(再販価値)をチェックすることである。クルマの購入が単なる「実用品」の購入ではなく、「資産」の購入であることを考えれば当然だ。

 購入動機はさまざまである。もちろん、基本的なものは

「好きなクルマ、欲しいクルマを買う」

である。

 しかし、好きなクルマであっても、廃車になるまで乗り続けるケースは少ない。いつかは次のクルマに乗り換える。そのとき、その時点で所有しているクルマを下取りに出すか売却して、その資金を次のクルマの購入資金の一部にする。

 その場合、下取り価格は低いより高いほうがいい。クルマは気に入っているが、下取り価格が何となく低い。つまり、リセールバリューの低さが多くの消費者の悩みの種になっている。

生産鈍化の影響

自動車(画像:写真AC)
自動車(画像:写真AC)

 そんななか、最近の消費者行動として、気に入ったクルマよりも、あえてその時点で

「リセールバリューの高いクルマ」

を選ぶという話をよく耳にする。これはどういうことなのか。新車購入時にリセールバリューを重視する消費者が出てきた理由は何なのか。

 そのきっかけは、近年大きな問題となっている新車の供給不足や供給遅れにある。

・COVID-19のパンデミック(世界的大流行)
・ウクライナ紛争
・自動車メーカーによるデータ改ざん

など、さまざまな問題によって生じた事例である。

 新車の生産が鈍化したことで、すでに生産されたモデルのなかでも高年式かつ走行距離が少ない中古車の価格が高騰した。特に、

・人気のあるボディカラーのモデル
・人気のあるオプション装備を装着したモデル

にその傾向が強かった。

 現在、こうした生産遅れはほぼ解消されたといわれているが、それでも人気車種には注文が殺到している。その結果、市場には品薄状態が続いている。

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