新車購入時、「欲しいクルマ」「高く売れるクルマ」どちらを選ぶべきか? 人気中古車高騰のいま考える
消費者行動の正当性

中古車市場で業者が買い取った中古車の価格はどれくらい高騰しているのだろうか。具体的な数字については、いくつかの実例が報告されている。
なかでも印象的なのは、トヨタ・アルファードの現行モデルの人気グレードで、登録1年未満、走行距離5000km以下の平均買い取り価格が新車価格の
「175%」
というものだ。このほかにも、現在登録から1年未満で走行距離が少なければ、買い取り価格よりも高く売れるクルマはたくさんある。
そうしたクルマをたまたま購入し、どこかのタイミングでその買い取り価格を知った場合、基本的にリスクゼロで利幅を確保することにためらう人は少ないだろう。
そして、一度そのようなおいしい買い物を味わった人の相当数が、次の買い物にできるだけリセールバリューの高いクルマを選ぶ可能性が高い。これは消費者として正しい行動だ。
リセールバリュー重視のリスク

こうした社会情勢が、一般消費者の行動に大きな変化をもたらしている。しかし、一度いい思いをしたからといって、それを続けることにはリスクがともなう。
まず、中古車の流通価格や下取り価格は基本的に市場価格に基づくものであり、安定的に推移する保証はない。そのような状況を背景に、プロのブローカーとしての経験もなく行動することはリスク以外の何物でもない。
第二に、市場に出回っている高価な買い取り価格のクルマは、基本的に高年式・低走行の極上車である。利幅を確保するためには、短期間で売買を繰り返す必要がある。これも素人には手に負えない。そうでないと考える人は、ブローカーになる素質があったに違いない。
第三に、転売目的で継続的に商品を仕入れて販売するためには、古物商の営業許可が必要である。加えて税務処理も必要となる。所有しているクルマをたまたま高値で売ったという程度なら問題はないが、これを繰り返すと商売とみなされる。