大阪モノレール「延伸」は無駄事業? 費用1400億円&工期延長で、市民から「ずさんやね」の呆れ声 問われる“門真市ニーズ”の実態とは
交流乏しい門真市と東大阪市

大阪モノレールの構想自体は古くからあり、1960年代に豊中市、吹田市など府北部を東西に、門真市、東大阪市など府東部を南北に走る外環状鉄道として発案されたのが始まり。当時の将来構想では南は堺市、西は兵庫県西宮市まで伸ばし、大阪都市圏を囲むように運行することを想定していた。
その後、輸送方式にモノレールが採用され、1990(平成2)年に千里中央(豊中市)~南茨木(茨木市)間が開通したのを皮切りに本線が延びていく。現在の大阪空港~門真市間21.2kmが開通したのは1997年のことだ。
延伸区間は2013年、当時の松井一郎府知事が府の黒字経営を府民に還元するとして事業化を関係部局に指示、府の公共交通戦略4路線の中に組み入れて計画が動きだした。しかし、需要については疑問の声が少なくない。現在の本線も1997年の大阪空港駅開業まで赤字が続き、累積赤字が一時
「約200億円」
に上っていた。
延伸区間の門真市にはパナソニックの本社があり、東大阪市は町工場の集積地として知られるが、相互の交流は活発といいにくい。東大阪市が国勢調査データを基に他市との人の流れを調べたところ、市外で働く市民約10万人のうち、ほぼ半数が大阪市へ向かい、門真市へ行く人は
「約1400人」(1.4%。71人にひとり)
しかいなかった。門真市から働きに来る人も同様に少数だ。
結局は空港アクセスの役割に期待するしかなさそうだが、東大阪市からだと大阪市の難波へ出て空港行きのバスに乗り継ぐのと大して所要時間が変わらない。瓜生堂駅予定地に近い近鉄八戸ノ里駅前で話を聞いた70代の男性は
「東大阪市から大阪市へ30年以上通勤したが、門真市へ行く機会はほとんどなかった。1400億円以上もつぎ込んでやることなのか。ずさんやね」
と話す。東大阪市交通戦略室は「市内を南北に走る鉄道がない。モノレールができれば利便性が増す」とメリットを説明したが、門真市地域整備課は
「事業者の府が必要な路線といっているのだから、必要なのでないか」
と人ごとのような回答を寄せた。