暴行・性犯罪発生で「容疑者画像」公開 電車内犯罪が相次ぐロンドンで注目すべき対策とは

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2021年以来、日本国内でも電車内での重大犯罪が相次いで発生した。防犯のために効果の高い対策はどのようなものか。かつて地下鉄テロ事件を経験した英国イギリスの取り組みをリポートする。

やはり高い パトロールの実効力

ロンドンの街なか(画像:鳴海汐)
ロンドンの街なか(画像:鳴海汐)

 日本と同様ロンドンでも、パトロールは防犯カメラと並び犯罪抑止力があると考えられている。

 ケンブリッジ大学と英国交通警察の協力で行われた研究では、ロンドンの地下鉄のプラットホームの中で犯罪発生件数上位115か所を対象に、1日4回15分間のパトロールを6か月行うところと行わないところに分けて効果を測った。プラットホームは過去150年パトロールの対象になったことが無い場所などの理由で選ばれた。

 パトロールなしは犯罪が16%増加した中、パトロールありのプラットホームでは28%の減少があった(2020年1月16日、ケンブリッジ大学が発表)。

 パトロールの効果は実際に警官がいない間ほど大きく、パトロールが来るかもしれないという残存効果が大きいようだ。該当プラットホームだけでなく駅全体にも影響があった。

 ロンドン交通局は現在、ロンドン警視庁、英国鉄道警察、ロンドン市警察の計2500人以上の警官の活動に資金提供をしてパトロール強化を図っている。

 ところで新型コロナ禍に積極的にリモートワークが推奨されていたことで電車やバスの混雑緩和による犯罪件数の減少具合も興味深い。ロンドン交通局の管轄では2020年4月から1年間、1日の平均利用者が前年から66%減となった。犯罪件数は前年が4万970件だったので、52.4%減となった。

 やはり混雑しないことが犯罪件数の一番の抑止策になるのは確かである。しかしコロナ以前の日常に戻していけば、当然混雑も戻ってくる。防犯カメラ設置とパトロールの強化は公共交通機関の義務であるが、安心して利用できればより多くの利用が見込めるという意味でも尽力していく必要があるだろう。

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