暴行・性犯罪発生で「容疑者画像」公開 電車内犯罪が相次ぐロンドンで注目すべき対策とは

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2021年以来、日本国内でも電車内での重大犯罪が相次いで発生した。防犯のために効果の高い対策はどのようなものか。かつて地下鉄テロ事件を経験した英国イギリスの取り組みをリポートする。

日本、2021年を機に対策強化へ

英ロンドンの地下鉄のイメージ(画像:写真AC)
英ロンドンの地下鉄のイメージ(画像:写真AC)

 日本では2021年以降、電車内の重大犯罪が相次いでいる。安全対策が急がれるなか、国土交通省は防犯カメラの増備とパトロールの徹底といった警備の強化をまず挙げている(2021年9月24日の閣議後会見)。

 2022年2月1日(火)、京王電鉄は2023年度末までに防犯カメラをすべての車両に設置することを発表した。

 首都圏の車両の防犯カメラ設置率は、JR東日本が100%の一方、私鉄には数%のところもあるという。新聞各社の報道によると、東京メトロは40%で、都営地下鉄は、完了時期は未定ながらも2022年3月末までに車両の4割設置の見込みという。

 世間を震撼(しんかん)させる大型犯罪に限らず、電車内の犯罪は軽微なものも含めれば日常的に起こっている。まず浮かぶのが、すりなどの窃盗、痴漢などの性犯罪ではないだろうか。

 警察庁がまとめた統計『令和2年の犯罪』によれば、全国の列車、バス、タクシーなど公共交通機関内の窃盗事件は2011件だった(駅構内などを合わせると1万2000件超)。寝ている人を狙った犯行が43.8%、置き引きが21.1%、すりが15.9%となる。

 新型コロナ禍前で交通が活発だった2018年の4139年と比べると半減しているので多くない印象かもしれないが、届け出ベースなので実際はもっと多いとも考えられる。

 性的犯罪については、2020年の件数を東京都内に限って見てみると、電車内での強制わいせつは約30件、犯人が連行された痴漢行為は約330件だった(警視庁)。

 こうした日常的に発生している犯罪を抑止できてこそ、テロや殺人などの凶悪・重大犯罪の予防にもつながるはずである。

 テロといえば、2005(平成17)年のロンドンでの事件が記憶に新しい。被害にあった地下鉄ではどのような対策をしているのか、現地の取り組みをリポートしたい。