武蔵小金井駅の「武蔵」とは何か? なぜ「武蔵」が付いたのか、全部で21駅「武蔵駅名」の謎に迫る
関東地方には「武蔵」の名を冠した駅が合計21もある。東京が最も多く11駅、次いで埼玉と神奈川が5駅ずつだ。なぜこんなに多いのか。
記念誌の限界

また、この記述自体の信ぴょう性についても、慎重に見極める必要がある。なぜなら、『あゆみ 武蔵小山商店街協同組合15年史』は、武蔵小山商店街の歴史を振り返るために作成された記念誌だからだ。
記念誌は、特定の団体や地域の歴史を記録するために作られるため、ときとして事実の確認が不十分なまま、伝聞や逸話が書かれてしまうことがある。武蔵小山駅の命名者についての記述も、そうした伝聞情報である可能性は否定できない。
したがって、石井千之介が武蔵小山駅の駅名を付けたという記述については、裏付けとなる1次資料が見つかるまでは、「伝えられている」という程度にとどめておくべきだろう。
以上、武蔵の名前がつく駅の由来について、現存する資料をもとに考察してきた。ほとんど手がかりを見つけることができなかったが、いくつかの駅については興味深い資料に触れることができた。
今回の調査は、武蔵の名前がつく駅名の由来を探るための第1歩にすぎない。特に、武蔵浦和駅の奇妙な決定経緯については、まだ当時の関係者が存命なのではないかと期待している。
今回の記事の補足として、前回の「「武蔵小杉」「武蔵浦和」「武蔵小金井」 なぜ“武蔵”のつく駅名は21個もあるのか?」(2023年12月3日配信)もぜひ読んでもらえると幸いだ。