武蔵小金井駅の「武蔵」とは何か? なぜ「武蔵」が付いたのか、全部で21駅「武蔵駅名」の謎に迫る

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関東地方には「武蔵」の名を冠した駅が合計21もある。東京が最も多く11駅、次いで埼玉と神奈川が5駅ずつだ。なぜこんなに多いのか。

資料発見

 さて、最後に紹介したいのが、東急目黒線の武蔵小山駅だ。この駅の名称由来について、まず、1943年に刊行された『荏原区史』には、以下のような記述がある。

「目蒲線の武蔵小山なる驛名の由来に就ては、別に深い意味もなく、たゞ初め小山驛と呼んでゐたのであるが、之は栃木縣にある驛と間違ひ易いと言ふので、小山の上に武蔵を附けて武蔵小山驛と呼ぶ様になつたゞけである、と古い驛員は言つてゐる」

 武蔵小山駅は1923(大正12)年に小山駅として開業し、1924年に改称されている。『荏原区史』が書かれた約20年後の時点で、既に「栃木県の小山駅と区別するために武蔵の名を冠した」という説が、語り継がれていたようだ。

 これに加えて、今回の調査ではとても興味深い資料の発見があった。品川区立中央図書館を訪ねたところ、ある資料を教えてくれた。それが、武蔵小山駅前にある武蔵小山商店街の歴史をまとめた『あゆみ 武蔵小山商店街協同組合15年史』(武蔵小山商店街協同組合15周年記念編纂委員会、1962年)だ。

その年表には、以下のような一文が記されている。

「大9 石井千之介さん「武蔵小山」を命名」

 この記述から、石井千之介なる人物が武蔵小山という駅名を付けたことがわかる。武蔵の名前がつく21の駅のなかで、武蔵小山駅だけは、駅名の命名者に言及した記録が存在していた。ただし、この人物については、『あゆみ 武蔵小山商店街協同組合15年史』以外の資料で、詳しい情報が見つかっていない。

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