EV失速とハイブリッド回帰! そんなときこそ、本当のクルマ好きは「EV」について熟考すべきだ
EVの普及は夢物語では終わらない。昨今のHV人気の再燃を理由にEVシフトを疑問視する意見を、今一度否定する必要がある。
全固体電池の革新

カーボンニュートラルの切り札として注目されてきたEVだが、その普及は夢物語に終わるのだろうか。
筆者(山本肇、乗り物ライター)は、最近のHV人気の再燃を理由にEVシフトを疑問視する意見を否定したい。今後の技術進化の結果、EVシフトは確実に進むからだ。
技術進化のカギは、高性能電池の開発である。現在、EVに使われているリチウムイオン電池は1990年代に実用化されたものだ。現在、自動車業界ではこれに代わる次世代の全固体電池の実用化に向けた研究が続けられている。
全固体電池は、EVのゲームチェンジャーとして期待される新技術だ。その特徴は、中身がすべて固体であることだ。従来のリチウムイオン電池は液体の電解質を使用していたが、電解質がすべて固体なのだ。その結果、次のようなメリットが期待できる。
・小型化できる
・容量が大きく、充電速度が速い
・発火の危険性が低く、高温でも低温でも性能を発揮する
これらのメリットを持つ全固体電池がEVのスタンダードになれば、EVはさらなる進化を遂げると期待される。